満月

満ちたりし物に縋りし今宵は魔性月ぞ。



意味が被ってるところがあるけど気にしたら負け。

本日は満月です。ひと月の唯一の楽しみといっても過言じゃありません。


僕はなんで月に固執するのですかね。さながら信仰のようだ。
太陽信仰があるなら月信仰だってあったっていいじゃないですか。ねぇ。あるのかね。


今宵の月を覗いているとふと、宇宙飛行士になりたいなぁなんてほんの一瞬だけ思いました。


どれだけ恋焦がれても、どれだけ手を伸ばしても、月には決して届かない。
翼を持たぬ我が身は月に想いを届けることもままならない。


月にいける人が本当に羨ましい。本当に。
でも月から地球を見たら地球にいける人は羨ましいと思うんでしょうね。

届かないからこそ、美しい。触れられぬが故、愛しい。
言葉を交わせぬから、畏ろしい。



僕は毎月満月になると、この辺りで一番地面が高いところ、つまり空に近いところに行きます。まるで巡礼のようです。

ある意味僕がこの行為を行うのはある種、本能的な月への”畏れ”かも知れません。

そうなればまさしく畏怖による信仰ですよね。




あらゆる物を二次から吸収してきた俺ですが、この月への想いだけはそうではないと思いたいですね。




うだうだつまらないことを考えるより、酔えるうちに酔うのが正解。
魔性に酔いしれろ。人も動物も植物も人外も、今宵はざわめき狂うのが正しい姿だよ。



外にでて、立ち止まって、ほんの少し上を見上げてみてください。
すごぉく、綺麗ですよ。